COLUMN

1,000店舗達成記念スペシャル企画!ハードオフの真髄に迫る!創業者の山本善政会長にインタビュー!

2024年11月23日にオープンした「ハードオフ・オフハウス・ホビーオフ広島可部店」をもって、ハードオフグループは国内・国外合わせて1,000店舗を達成!

オープン当日は山本会長も駆けつけ、テープカットや記念撮影といったオープニングセレモニーで大切な節目をお祝いしました。

オープン前からなんと約500人以上のお客様が行列をつくってくださり、大盛況の1日となりました。

▼「ハードオフ・オフハウス・ホビーオフ広島可部店」オープン当日の様子はこちら
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そして今回は、1,000店舗達成を記念した特別企画!
ハードオフグループの生みの親、山本善政会長へのインタビューが実現しました!

ハードオフ1号店をオープンした当時の感動や、経営理念に込めた熱い想い、さらには創業者だからこそ語れる秘話まで、ハードオフ愛があふれる貴重なエピソードが満載です。
ぜひ最後まで読んでみてください!

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株式会社ハードオフコーポレーション 山本善政 代表取締役会長
1972年、新潟県新発田市でサウンド北越を設立。1993年に中古ビジネスに業態転換をはかり、同年2月11日に第1号店となる「ハードオフ新潟紫竹山店」をオープンさせる。
お客様からのニーズに応える形で、衣類や家具を取り扱う「オフハウス」を立ち上げ、「ガレージオフ」「ホビーオフ」「モードオフ」「リカーオフ」とフランチャイズ加盟店の「ブックオフ」を加えて7つのリユース業態を展開。2017年にハワイ1号店をオープンして以来、次々と海外へ出店しており、現在は「ハードオフ台湾」の会長も務めている。

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1,000店舗達成は通過点!その先を見据えるハードオフの挑戦

山本会長、本日はよろしくお願いいたします!

ーー1,000店舗達成おめでとうございます!まずは率直な感想を教えてください。

ありがとうございます。1993年に1号店をオープンしてから、31年目で1,000店舗達成しました。やはり嬉しいですね。感無量です。

ただ、「まだ通過点だ」という気持ちもあります。これから2,000店舗、3,000店舗となるための足がかりとして、やっと1,000店舗まできたかと。

ーーもうすでに次の目標を目指しているんですね…!

まだ山頂に登ったわけではないですから。「ハードオフ・オフハウス・ホビーオフ広島可部店」のオープニングセレモニーの時に山本太郎社長からも話があった通り、リユースを広めていくためには国内だけでなく、グローバルな展開も視野に入れていかないといけません。

ーーちなみに次の目標の具体的な店舗数は決まっていますか?

次の目標は、3,000店舗です。
経営には1→30→100と段階的に増えていく「1→3の法則」があると言われますが、弊社もこの過程を歩んできました。
まず1店舗目で「いけるぞ」と確信してから、まずは10店舗に増やし、さらに30店舗を超えたところで100店舗を意識しました。

ーーそんな法則があるのですね。

今回、1,000店舗を達成したので、法則通りにいくと次は3,000店舗です。
10年、30年かかるかもしれませんが、山本太郎社長が実現してくれると信じています。

逆境を超えて!ハードオフ第1号店誕生と信頼の軌跡

ーーハードオフ第1号店である「ハードオフ新潟紫竹山店」を立ち上げた時の様子を教えてください。

あの日はね、オープン前に駐車場から道路までお客様が行列をつくっているのを見て、とにかく胸がいっぱいになりました。ありがたいことに1日中ずっと忙しくて…朝礼で何を言ったのか覚えていないほどです。笑

ーーそれくらい大盛況だったのですね!「サウンド北越」からの業態転換ということで、不安はありましたか?

もちろん、不安はありました。崖っぷちでしたから。あの時は本当に、後がなかった。
ハードオフは今までにない新しい中古ビジネスだと自分に言い聞かせ、スタッフにもそう伝えていましたが、心の奥底では確信なんて持てなかったんです。

でも、店舗前に長い列を作るお客様たちを見た瞬間、全身が震えました。「これだ、いけるぞ!」と。

ーー確かな手応えを感じたのですね!

ええ、それまではただの構想でしかなかったものが、確信に変わった瞬間でした。
これほど多くの人が集まるリユースショップは、地球環境のため、そして社会のために本当に必要なことなんだと強く感じましたね。
「正しいことをしているんだ」という実感が、お客様たちの列に詰まっていたように思います。

ーーでも当時は、リユースショップがそこまでメジャーではなかったですよね?

そうなんです。「エコロジー」という言葉すらあまり知られていなくて、世間からはただの「リサイクル屋さん」と呼ばれていました。

でもその頃、リユースショップというとあまり良いイメージではありませんでした。
地球環境にやさしいと胸を張って言えることなのに、どうして世間に受け入れられないのかと考えた時、そのイメージのせいだと思いました。

ーー当時はネガティブなイメージが一般的だったのですか?

まさにそうでした。当時のリユースショップは、いわゆる汚い・臭い・カッコ悪い・感じ悪い・危険の5Kというイメージが先行していました。けれど、社会のためになるという根っこの部分は間違いなく正しい。
だからこそ私は、その5Kをひっくり返す「逆5K」をつくり上げれば、必ず世間に受け入れられると信じたんです。

ーー具体的にはどんなことに気を付けていたのですか?

まず清潔さには、徹底的にこだわりました。お店はいつも明るく、入りやすい雰囲気を大切にしました。
さらに、お客様に安心していただけるよう、価格の透明度にも気を配りました。

ーー価格の透明度とはどういうことでしょうか?

当時の小売店では、お客様の顔色や足元を見て価格を決める、そんな曖昧なやり方が横行していて…私はそれを変えなければいけないと思いました。
「同じものなら同じ価格で買い取る」という、シンプルでフェアなルールを作りたかった。

ーーそれはお客様からの信頼にも繋がりそうですね!

そうでしょう?
だから私は一歩踏み出して、当時としては画期的な仕組みを作りました。
約5,000アイテムの価格データベースを構築し、査定の基準を明確にしたんです。

たとえば、パソコンに商品名を入力すると基準となる買取価格が出てきて、そこから傷や付属品などの商品の状態を確認して、最終価格を決定する。ベテラン社員でも、入社したてのスタッフでも、誰が査定しても一定の基準に沿った買取価格が出せる仕組みです。

ーー公平な査定ができるシステム…ということですね。

その通りです。そしてこの仕組みは、時代とともに進化し続けています。約5,000アイテムからスタートしたデータベースが、現在ではなんと1,700万以上のアイテムを網羅する規模に成長しました。

ーー1号店オープン当時からのデータベースが今も生き続けているんですね。

時代を越えてお客様とお店を繋いでくれていると思うと、感慨深いです。

でもね、私がフェアでありたいと思ったのはお客様だけじゃなかったんです。お店で働いてくれるスタッフにも、同じように公平でありたいと強く思っていました。

ーースタッフに対しても、ですか?

お客様への買取査定をフェアにするデータベースを作ったように、スタッフにも平等なチャンスを与える仕組みが必要だと考えました。
そこで、7段階のキャリアパスシステムをつくったんです。

まずは全員、同じスタートラインから始まります。学歴も年齢も関係ありません。大卒の人も、アルバイトで入った人も、50歳のシニアスタッフも、みんな同じところからのスタートです。
そこから「できること」が増えるたびにステップアップし、お給料も上がる仕組みです。

ーーそれはすごく分かりやすいシステムですね。

このキャリアパス表は社員・スタッフ全員が持っているマニュアルの中に書いてあり、いつでも見られるようにしています。一目で自分の今の現在地と、次の目標がわかるんです。

スタートをみんな同じにすることで、人に対して平等でいられる。そして、努力や結果に応じてステップアップするキャリアパスを用意することで、働く環境としてもフェアでいられると考えました。

ーーお客様だけでなく、スタッフにも公平でありたいという山本会長の真摯な想いこそが、1,000店舗達成を成し遂げたハードオフグループの真髄なのかもしれません。

戦友と共に挑んだ日々、そして原点となる店舗

ーー1,000店舗達成するまでに紆余曲折があったと思います。特に印象に残っていることはありますか?

そうですね。1,000店舗目がオープンした朝礼でも話しましたが、ハードオフグループの店舗は「フランチャイズ」という仕組みで運営しています。店舗のブランドやノウハウを他社さんに提供し、私たちが直接出店しづらいエリアで店舗を展開してもらうんです。1,000店舗の中には、フランチャイズで運営いただいている店舗が半分以上あります。そんなフランチャイズのオーナーさんたちは、私にとってまさに「戦友」なんです。
ハードオフグループがここまで大きく成長できたのは、彼らの存在があったからこそだと思っています。

ーーフランチャイズ加盟店だけで553店舗ありますね(2024年11月23日時点)

オーナーさんたちはもともとの事業が上手くいかなかったり、厳しい経営状況の中にいた方が多いです。私もかつてサウンド北越の時に同じ状況にあったので、その苦しさや不安が痛いほどよく分かるんです。

そんな中で、ハードオフというビジネスモデルを選び、フランチャイズに加盟して下さった。ハードオフを運営することで経営を立て直し、「山本会長のおかげで生き延びられました」と言っていただけることがあるんです。その言葉を聞くたびに、もう涙が出てしまいます。

ーーそれは感動してしまいますね…

このビジネスを通して、私は日本一のフランチャイズ展開を実現したいと思っています。
そのためには、本部であるフランチャイザーと加盟店のフランチャイジーが、どちらもwin-winの関係であることが必要です。フランチャイザー側だけが良い思いをしていては、決して成り立ちません。

ーーwin-winの関係が鍵なのですね!

そう、一種の運命共同体のようなものですから。我々のビジネスの良いところも悪いところも、すべてオープンにして「一緒にやっていこう」と本気で向き合ってきました。

ーーその姿勢が信頼につながっているんですね。

そうだと思います。そして今、フランチャイズのオーナーさんたちの中には、ハードオフのビジネスで株式の上場を果たした方々もいます。それが本当にうれしいですね。
彼らは辛い時代を共に乗り越えた、まさに戦友です。

ーーお店に関してはいかがでしょうか?思い入れのある店舗はありますか?

お店はね、みんな愛しい我が子のような存在です。ひとつひとつに違った個性があって、どのお店も同じくらい大切です。

ーー業態転換した1号店でもある「ハードオフ新潟紫竹山店」は、今ではオーディオ機器に特化した「ハードオフオーディオサロン新潟紫竹山店」になりましたね。

近年、私たちは専門的な分野に特化した店舗づくりにも挑戦しています。
キャンプ用品を中心に取り扱う「オフハウスアウトドア&スポーツ」や、中古工具に特化した「ハードオフ工具館」などがその例です。

その中でも、ハードオフの原点ともいえるオーディオの世界を、さらにブラッシュアップして進化させた店舗が「ハードオフオーディオサロン新潟紫竹山店」です。

ーー山本会長のオーディオへの愛情が詰まったお店なのでしょうか?

そうですね。実は業態転換後も「いつかもう一度オーディオショップをやりたい」という思いをずっと胸に抱いていました。それが実現した店舗となります。

親子での歩み!経営理念に込められた想いを引き継ぐ

ーー息子である山本太郎社長は、ハードオフコーポレーションに入社する前、ユニクロを展開する株式会社ファーストリテイリングで経験を積まれていましたよね。

小売業を学ぶため、私も尊敬する柳井さんのもとでお世話になっていました。
太郎が生まれてから「お前が跡継ぎだ」とはっきり伝えたことはありませんが、それでも跡を継ぐことを自然と意識してくれていたのだと思います。

ーー2019年に山本太郎社長に社長職を譲られていますが、その時はどんなお気持ちでしたか?

難しい質問ですね。笑
実際にバトンタッチすると、取引先もスタッフもみんな太郎のところに行くでしょ。最初はそれに戸惑って、ちょっと疎外感を感じることもありましたけど、今は彼をサポートすることが私の仕事だと思っています。

ーー現在は、主に山本太郎社長のサポートをされているのですか?

そうですね。太郎が不在の際には私が代わりに対応することもありますけど、実際の業務では社長を支える役割に徹しています。
企業は、社内の役割や順位を明確にしておく必要があります。ハードオフコーポレーションでは、山本太郎が1位で、私が2位。なので大局的な視点で社長をフォローできるように心掛けています。

ーーいつ社長職を譲るかについて、山本社長と話し合いはされていたのですか?

年齢的なタイミングも考慮して、話し合いを進めていました。「お前はいつがいいんだ?」といった感じでね。
当時、太郎は海外事業や、リンクチャネル構想の立ち上げに専念したいという希望があり「あと1年待ってほしい」と言われました。
そのため、私の想定より約1年遅れてのバトンタッチとなりました。

ーー山本太郎社長は「おやじ超え」を目標としていますよね。

そうですね、生意気にもね。笑

ーー山本会長が「超えられた」と思う瞬間って…

それはまだ分からないですけど。笑
ただ、太郎の業務に取り組む姿勢や研修の場なんかで話している内容を聞くと「ちゃんとやっているな」と感じます。ブレずに仕事に向き合っている姿を見ると、安心しますね。

ーーハードオフの経営理念からブレていない、ということでしょうか?

その通りです。本社隣の研修センターで定期的に行う社内研修を通じて、私は約30年間、経営理念の大切さを伝え続けています。
社長も、少なくとも100回はその話を聞いている。私が命の次に大切にしている経営理念を、彼もしっかり理解してくれています。

ハードオフの経営理念
①社会のためになるか
②お客様のためになるか
③社員・スタッフのためになるか
④会社のためになるか

ーーこの経営理念は、前身の新品オーディオ専門店「サウンド北越」から業態転換を図る際に山本会長が考えたものですよね。

そうです。当時「サウンド北越」は厳しい経営状況にありました。オーディオ評論家を招いてシンポジウムを開いたり、録音会を開催したりとお客様のために精一杯やってきましたが、いつの間にか売上は半分にまで落ち込み…とても苦しい思いをしました。

その時に気づいたのです。経営理念が正しくなかったと。自分たちの利益ばかりを考えていたから、うまくいかなかったのだと。もっと世の中のためになることをしなければならない。つまり、社会に貢献することが本当に必要なのだと感じました。

「社会のためになるお店とはどんなものか?」と考えたことが、ハードオフの始まりです。リユースは環境にやさしい取り組みでしょ。

ーー確かに…会社が成長すればするほどリユースが広まり、社会の役に立っている感じですね。

その通り!まずは社会のためになること。そしてお客様のためになり、働いてくれるスタッフのためにもなる。そうすることで、結果的に会社としての利益は自然と残ります。
さらに、その利益の半分は納税してまた社会の役に立つ。この循環こそが大切なのです。

社会のためになることを必死に追及した結果、1,000店舗達成という大きな節目を迎えることができました。

ーー山本会長が経営理念をとても大切にされていることが伝わります。それと同時に、松尾芭蕉の「不易流行」という言葉も大切にされていますよね。

そうなんです。この言葉を理解してから、自分の考えがより明確に整理できるようになりました。

要するに、「命がけで守るべきこと」が不易、つまり変えてはいけない部分です。流行については、間違えたって構いません。新しい挑戦をして、それが失敗しても問題ない。不易さえしっかりしていれば、いつでも修正できる。

これが不易流行の考え方。そしてこの考え方については、太郎と100%一致している。だからこそ安心して任せられるのです。

ダイヤモンドのように光輝く店舗を目指して

ーーハードオフを立ち上げた創業者として、これからのハードオフに期待することはありますか?

リユース業界のチェーン店として、日本一、いや世界一になってほしいですね。
私はね、富士山がとても好きなんです。あの山はただ高いだけじゃない。姿、形がきれいで、見る人に感動を与えるでしょ。

ーーリユース業界の富士山に…!

そうそう。ただ、店舗の数が増えるだけでは富士山にはなれません。
大事なのは、1店舗1店舗がダイヤモンドのように輝きを放つこと。
その質の高さこそが、お客様から愛される理由であり、ハードオフがリユース業界の富士山になる基盤なのだと思います。

ーー店舗の質を高めるためには、何が大切なのでしょうか?

まずは、ハードオフの経営理念に共感し、愛していただくことです。
そして基本である掃除や環境整備を徹底し、清潔で気持ちの良い店舗をつくること。
さらに「お客様へのサービス3ヶ条」を実行し続ける。そうすればダイヤモンドのようなリーディングチェーンを目指していけると信じています。

サービス3ヶ条
①いついっても、環境整備ができているピカピカのお店にします。
②いついっても、元気に笑顔で気持ちの良いあいさつができるスタッフがいるお店にします。
③いついっても、ひとつでも多い品揃えの、質・量ともに良いお店にします。

ーー最後に、ハードオフを利用するお客様へメッセージをお願いします!

いつもご愛顧いただき、本当にありがとうございます。
この感謝の気持ちは、ただ「ありがとう」という一言に尽きますね。

ハードオフファミリーの皆さまにも、いつも支持してくれてありがとうと感謝の気持ちを伝えたいです。これからも、ハードオフの応援団として私たちを支えていただけると嬉しいです。

あとはね、叱咤激励もお願いしたいです。

ーー叱咤激励…ですか?

そう、激励だけじゃなくて叱咤もいただきたい。
お客様が気付いたこと、改善すべきことがあれば、遠慮なく教えて欲しいです。私たちは地域のお客様から愛される店舗となるために、常に学び、進化していきたい。だからこそ、叱咤も激励も、私たちの成長には欠かせません。

何か気付いたことがあれば、忌憚のないご意見お待ちしております。

ーー社会、お客様、そしてスタッフのことを深く思い、リユースという価値を信じ続ける山本会長のお気持ちが、今回のインタビューで強く伝わりました。
貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!今後のハードオフのさらなる挑戦に期待しています。

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取材日:2024年11月28日